昨日観た映画『6歳のボクが、大人になるまで。』

この映画の凄いところは、6歳の男の子が18歳の大学生になるまでを、12年かけて撮影しているところ。つまり、出てくる俳優がみんな同じ俳優。子役とかは存在せず、6歳役の俳優が12年間の間にリアルに成長してスクリーンの中でも青年になっている。あほみたいにお金と時間がかかっている映画。

その試みというのは素晴らしいと思うけど、描き方がサラッとし過ぎていて何が言いたいのか伝わってこない。誰かの成長記録を編集もなく見せられている気分になった。

そんなわけで、観た当日はものすごく薄味の料理を食べた気分だったけど、一晩寝て起きたら、何故か頭の中でその薄味が「むしろ良い!」という気分になっていた。

なんだろう?

昨日まで薄味と思っていた料理が、一晩たったら何故か京都の料亭の味に思えてきた感じ。人生を戯画化せずに素材本来の味をそのまま活かして映像にしました、ふうに思えてきた。こんな風に1日で劇的に印象が変わる映画は初めてだったので、驚いた。

ちょうど今読んでる本に書いてあるのキーワード「今を生きる」に重なる部分があったので、寝ている間に脳が記憶を再構築したのかもしれない。

面白い体験をしたなあと思う。