雨のシーンが印象的な映画

雨と言って思い出す映画は、「グランドマスター」。

土砂降りの中で戦闘を繰り広げる冒頭シーンの、スローモーションで落ちていく雨のしずくが、地面や主人公の肩に当たって飛び散るさまが印象的。

もうひとつは、「マトリックス」。
これも土砂降りのなかで戦うシーン。雨のなかの戦闘というのはそれなりに絵になるからだろうか。

あとは、「ショーシャンクの空に」のクライマックスで、土砂降りの中主人公が雨を全身で味わうシーンも印象的だった。この雨の一粒一粒が、彼のこれまでの長い日々を洗い流すようでもあり、長い年月を経て初めて身体に触れる外界のもの、という印象もあり、天からの祝福のようでもあり、感慨深い雨だった。

インド映画にはお約束のダンスシーンでは、かなりの確率で雨が降る。これは何故かと言うと、もちろん演出上絵になる、というのも理由の一つとしてあるが、私が聞いたことのあるもうひとつの裏事情は、お国柄によるものだった。

つまり、国から映画においてエロティックなシーンを厳しく制限されている事情があり、雨を降らせてサリーを身体にぴったり密着させ、身体のラインをあらわにすることで、インドの男性諸氏の支持を受けるのだそうだ。可能な限り最大限のエロチシズムが、雨に濡れた肢体というわけである。

もう東京は梅雨が明けてもおかしくない気候だけど、雨をキーワードにして映画を観るのもなかなかオツなものだな、と思う。