最近観た映画『海街Diary』
映画『海街Diary』を観た。
原作の漫画が大好きで、昨年映画化発表された時から楽しみにしていた。
忙しくて公開から間が空いての鑑賞となったが、期待値はMAXだった。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 (flowers コミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/03/05
- メディア: Kindle版
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この映画を一言でいうと
鎌倉の街にある古ぼけた一軒家に、姉妹だけで暮らす三人の若い女性が、離れて暮らす父の訃報に駆け付けた告別式で出会った、まっすぐな視線を持つ女子中学生、浅野すずが自分たちの腹違いの妹であることを知り、一緒に暮らそうと提案する。
こんな人におすすめ
何も大きな事件が起きない。爆発も、カーチェイスも、ヒーローと悪役の息詰まる肉弾アクションも、あっと驚くドンデン返しもない。
でも、この映画には日々を丁寧に暮らすふつうの人間の息遣いがあり、小さなトラブルや悩みがあり、そしてそれらに寄り添う鎌倉の街の美しい四季の移り変わりがあり、それを愛する人間のしあわせがある。
何のために生きるのか、とは昔から繰り返されてきた人類の命題のひとつだけれど、この映画にはその答えに近づけるたくさんの小さな泡みたいなものが全編に渡って弾けている。
人生の答えを探している人や、代わり映えしない日常を疎ましく思っている人が観たら、何かいいことがあるかもしれない。
個人的な感想
往々にして、原作を好きな映画作品ってがっかりさせられることが多い。映像化の限界なのか、それとも私の頭の中にあるイメージと作り手が受け止めた原作のイメージの差なのかはわからない。
この作品は原作のイメージをがっつり頭に入れて、期待値MAXで観たのに、満足度が高かった。
もちろん、原作の空気感は損なっていないのだけれど、私が大好きなエピソードが作品中から尺の関係で抜かされたりはしていた。でも、それを補って余りある映像と、せりふとせりふの間の余白の美しさが際立っていた。
私のイメージでは、この作品に出てくる女性は、末っ子のすずを筆頭にみんな、視線がまっすぐだ。誰かと目があっても逸らしたりしない。時として気の強い印象を受けるくらいに、シャープな目力を持っているイメージだった。
そのキャラクターを、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが泣きそうになるくらい美しく演じていた。
この作品は、DVDかブルーレイで購入して、大事にとっておきたい。ストーリーの流れとかじゃなくて、ただ再生してぼーっと画面を眺めているだけで、だんだんいい気持になってくるだろうと思う。そういう意味では、『かもめ食堂』なんかに共通しているものがあると思う。