銭湯の効用

よく銭湯に行く。

嬉しいことがあったとき、気分転換したいとき、いやなことがあったとき、悩みごとがあるとき。

いい気分のときは、鼻歌を歌いながら、行ったことない遠くの銭湯に行ってみたりする。落ち込んでいるときはどよーんとした気持ちでいつも行く近所の銭湯に赴く。

不思議なのは、いい気分でテンションが上がっていても、落ち込んだ気持ちでどんよりしていても、大量のお湯に身体ごと浸かって一定期間たゆたい、頭のてっぺんから爪先まで気持ちよさを存分にあったまったところで上がると、た高いテンションでも低いテンションでもない、一定の穏やかな気持ちになれるところ。

自分をニュートラルポジションに戻してくれる。家の小さなお風呂だと、落ち込んだ気持ちは落ち込んだままだし、ハイテンションのときはハイテンションのままだ。なんでかな。

銭湯の大きな浴槽には、身体の汚れを落とすだけではない、不思議な力がある。身体だけじゃなくて、無意識にかぶっている精神的な仮面も全部元どおりに、素の自分に戻してくれるような気がする。ただ、お湯がたくさんあるだけなのに。

だから、私は今日も銭湯に行く。