ちょっと前観た映画『インサイド・ヘッド』

映画の感想文書くのをだいぶ溜めている。『インサイド・ヘッド』を観たのは大分前だ。一カ月くらい前かな。

この映画を一言でいうと

ピクサー最新作!人間の頭の中に住んでいる、喜びや悲しみなどの感情を司るキャラクターが、様々な活躍をすることで主人公の成長を促すさまを描く。
(うーん。なんか面白そうじゃないなー。コピーライターにはなれないな)
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こんな人におすすめ

ピクサー映画ファンの方にはすべからくおすすめですが、それ以外にもおすすめするクラスターがあり、それは子供を持つお父さんやお母さん。赤ちゃんから幼児へ、幼児から児童へ、児童からティーンへ。自分の子供の成長を見守る折々で、「何でこの子はこんなに喜んで(悲しんで/怒って/怯えて/イラついて)るんだ?」と感情の発露について理由が分からない場合があると思う。そういう親御さんはたぶん、往々にしてその状況に多少なりともストレスを感じているのだと思う。親としてこの子を育て導いてやらなければいけないのに、この子の考えてることが分からなーい!!どうしたらいいの?この映画を観ると、そんな親御さんのストレスが、ちょっと減るんじゃないかな?

個人的感想

自分の頭の中に楽しい世界が広がっていることを想像するだけで楽しいけど、一番楽しめたのは、感情を司るキャラクターたちが、自分やお互いの役割に少しずつ気づいていくところ。

例えば、「カナシミ」という感情は、ネガティブなものとして描かれているし、そもそも悲しみでいっぱいの1日と、喜びでいっぱいの1日を選べと言われれば、私は絶対喜びを選ぶ。出来ることなら、なるべく悲しい気持ちにはなりたくない。

でも、「カナシミ」というキャラクターは頭の中に存在している。「何のために?居ないなら居ないでもいいんじゃない?」

観ている人がみんな、そう思うようなエピソードをいくつか重ねた後に、「カナシミ」自身も気づいていなかった、自分の役割に気づき始める。

これが、自分の頭の中にある固定観念がバラバラに崩れて、全く新しい概念が再構築されるときの気持ち良さ、言ってみれば、絵をひっくり返したり、裏返したりして見たら、全く違う絵柄が現れた時みたいな、心地よい裏切り感を感じられる。アハ!体験っていうのかな?

そうか!だから全ての感情は必要なんだ!喜びだけの人生は、一見魅力的だけど、それだけじゃだめなんだ、ということが、子供にも分かるように平易に表現されているのが好ましかった。

付け加えるなら、私は最近ストレスを感じてイライラした時、なるべくイライラという感情と自分という主体を切り離して考えるようにしている。

私の本質は、イライラそのものではない。何らかの原因があって、私という生き物はイライラという感情と一時的に共存している状態。「自分」と「イライラ」を切り離して考えられると、何故イライラしているのか、どうすればイライラは収まるのか、考えられることが多い(イライラが多すぎて切り離せず、飲み込まれてしまうこともあるけどね)。

頭の中で起きている「いろんな不思議」を考える材料になる、心理学とエンタメと結びつけたおもしろアニメだなと思った。ちょっと知的な香りがします。