昨日観た映画『マジック・イン・ムーンライト』
ウッディ・アレン監督の最新作を観た。
前作の『ブルージャスミン』はなんとも救われない展開で、観終わった後の一番最初の感想が「…で、どうすんのよ!」だった。
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: Blu-ray
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今回の作品はどうなんだろう。
この作品を一言でいうと
この世でいちばん不可解で非合理的な出来事は、恋に落ちること。ウッディ・アレン最新作、軽妙洒脱なラブストーリー。
(二言になっちゃった。)
こんな人におすすめ
個人的感想
ウッディ・アレンに実際に会って喋ったことはないので想像の域を出ないんだけど、映画を観る限り、きっとものすごく人を食った皮肉屋で、尊大な自我を持つ大きい少年みたいな人なんだろうな。
でも、そんな自分を持て余したり、客観的に自分を眺めたりして、自分を納得させているんだろうなと思う。
コリン・ファース演じる主人公のスタンリーは、目に見えるものしか信じない、神に祈るひとを馬鹿にしちゃうような超・合理主義者。素顔のウッディ・アレンが透けて重なっているのが見える役どころ。そんな彼が、科学では証明できない、霊能力を持つという美しい女性に出会い、自分が忌み嫌う「科学では説明できない」現象、すなわち恋に落ちてしまう。
元々合理主義を高らかに掲げた人物だっただけに、自分が理論的に説明できない感情を抱くことに不安を抱いたりアタフタする様や、相手に告白するシーンの上から目線ぶりが観ていてこの上なく滑稽で痛々しい。と同時に、画面の外から眺めているととっても愛らしい。
「恋」という現象を、「恋」という言葉を一切使わずに表現したらこんな風になるだろう、と言う映画だった。
一言で言うと回りくどい。
だけど、その回りくどさが全く不快ではなく、むしろ心地よい笑いに包まれてしまうところが流石だなと思った。