ナマの京都

http://booklog.jp/item/1/4840111146

グレゴリ青山さんの本は、学生時代の愛読書のひとつだった。ユーモラスなタッチのイラストと文章で綴られるエキゾチックな色彩にあふれたアジア紀行は、旅先の土地への愛を根底にたたえながらも、優しく客観的に突き放した視点でインドや、マレーシアや、中国の人々の暮らしをとらえており、まだろくに海外旅行に行ったことのない私を魅了し、行ったつもりになったり、旅に出たい気持ちを倍増させたりした。

時が経ってすっかりグレゴリさんの本について忘れ、最近図書館の近くに引っ越したのでホクホクしながら公開書架を漁っていたら、偶然グレゴリさんの本を見つけた。

「ナマの京都」

そうそう、グレゴリさんは京都生まれの京都育ちだった。

生粋の京都人が、やはり客観的な目で自分たちを観察しては綴って行く、非京都人は知ることのない「いけず」で「噂好き」で「可愛らしい(かいらしい)」京都人の横顔は、とてもいきいきしている。

少しレトロで懐かしい京都の街並みに並ぶお好み焼き屋さん、喫茶店、お土産屋さん、冷やしあめ屋さん。

京都の人たちが、今までよりちょっと好きになったし、京都にまた行きたくなった。